浅香豊

【浅香豊】本文:トランプ政権の経済政策と国際関係

トランプ政権がいわゆる相互関税ですね。

90日間は一律10%にするというふうに発表しましたよね。

 通常の国は、今回の90日間の、一時停止処置によって、かなりね、

楽になったっていうことにはなるわけですが、、中国には逆に関税率がですね、

さらに引き上げられて125%ということになりました。

で、これで今回の相互関税なるものの狙いがですね。

対中国包囲網であるということが、より明確になったというふうに言っていいのではないかと思います。

こちらのブロムバーグの記事をご覧ください。

米国は同盟国と防衛協定結び集団で中国に臨むベッセント財務長官となっていますね。

この記事の中でベッセント財務長官は彼ら、これは、日本やEUなどの同盟国のことを指すと思われるわけなんです。

が、彼らは軍事面では良い同盟国だが、経済面では完璧な同盟国ではない。

その後、グループとして中国にアプローチすることが可能だって、こう発言しているわけなんですよね。

つまり、アメリカと日本、あるいはEU、こういった国々がグループとなって、

ともに中国にアプローチする、これを求めているっていうことになります。

ベッセント財務長官はこんな感じのことも言ってます。

EUが米国から離れ、中国に軸足を移そうとしているスペインが明らかにその路線を支持している。

それは自らの首を絞めるようなものだ。

こんな感じで警告をしているわけです。

ところで私は以前の動画でですね、トランプの相互関税の真の狙いは、

アメリカの安全保障を念頭に置いたものだろうで、これを理解すべきなんだということを指摘しました。

で、この、私の話を聞いてですね。 

ね、浅香さん、なんでそんなにトランプ贔屓なんですか?って。

こういう感じで言った人がいたりするわけなんですが。 

それはですね、もう明らかに誤解だと言わざるを得ないんですね。

私はこの手の話では何度も言っていますが、適切な批判を行う前に、

まず相手の真意を理解するところから始めるべきだというのが。

私の姿勢なんですね。 

で、そのことは相手の発言を適切なものだと認めているというのとは違うんだということを、

ここは本当に理解してほしいんですね。

で、私は昨年11月の大統領選挙が終わって、トランプの勝利が確定してから、

大半のトランプ派の人たちがですね、これで安全保障だけでなく、この経済もですね、

良くなっていくんだみたいな感じで、この楽観視している。

こういう人たちが多い中で。

いやいや、トランプの経済政策はむしろ混乱を引き起こすことになるぞという、こういう話を平然と語っていた。

おそらく数少ない人間ではないかなというふうに思っています。

私はですね、ほかのかたが何をしゃべっているかとかっていうのは。

いちいちそんな確認してないんで、全然知らないんですが。

ああ、昼の番組にですね、、さやさんと出演した時に、さやさんが、

私のこういう見解を見てびっくりされていたということがあったので、

ああ、こういう主張する人はあんまりいないんだろうなあっていうふうに思っていたわけなんです。

さて、以前のトランプの相互関税を扱った動画に対して、いろんなコメントがあったわけなんですが、

例えばその中にはこんなものもありました。

トランプの真意の解釈としては筋が通っていると感じました。

ですが、それが目的ならば、一部の戦略的に重要な製品に限って関税をかけることもできたはずです。

 その点はどうお考えでしょうか?え、この方はですね、冷静に私の見解を理解した上で

質問されている点でですね、私としては、、とてもこの嬉しい。

そういう書き込みだったんですよね。

で、これに対して私は次のように回答しました。

それぞれの国にアメリカを取るのか、中国を取るのかの踏み絵を踏ませているのだろうと私は見ています。

トランプの最終的な落としどころは、信頼できる同盟国の間での分業体制にあるのでしょうが、

中国にもいい顔をしているのであれば、同盟国といっても信頼できないということなんだろうと思います。

関税政策への対応をどうしようとするのかで。

信頼できる国かどうかがわかると見ているのでしょう。

なお、私はトランプの意図は理解しますが、私はこのやり方に賛同はしていません。

この私のトランプの関税政策の捉え方とですね。

ベッセント財務長官の彼ら、日本、EUなどの同盟国は軍事面ではいい同盟国だが、経済面では完璧な同盟国ではない。

その後、グループとして中国にアプローチすることが可能だはですね、話していることが重なっているっていうこと。

これをですね、ぜひ理解してほしいんです。 

最もベッセント長官は軍事の問題、安全保障の問題みたいな感じでしゃべってるわけではなく

経済の問題であるかのように扱ってはいるわけですが。

ここはもう少し冷静に読んだ方がいいと思うんですよね。

中国の貿易黒字をなくさせるというのは、中国の世界の工場としての地位を失わせるということを

意図しているものであって、それは中国にサプライチェーンが握られている状態を解消させる

ということを意味するわけなんですね。

で、そうすると、この安全保障上も重要なサプライチェーンというのを、

中国側から自分たちの側に取り返すんだということを意味している。わけなんです。

とにかくアメリカにもいい顔しながら、中国にもいい顔してうまくやり過ごすということを

トランプ政権は認めていないということをしっかりと理解する必要があるわけです。

で、経済学的に考えて、すべての製造業をアメリカに取り戻すというのが不可能なことは、

トランプ政権は、本音としてはよく理解しているはずです。

トランプのことをですね、私たちが普通に考えることすら考えられない大バカものなんだと

みなすのが流行っているというか。

そういう言論で満ち満ちているわけなんですが、そんなものが正しいわけないだろうっていうことを、

私は皆さんによく考えてもらいたいわけなんですね。

で、私は4月5日にアップされた講談社現代ビジネスの記事荒唐無稽乱暴すぎるトランプ関税が世界中から総スカン。

 それでも強行するトランプのある危機感と狙い。

この記事の中で次のように書きました。

当たり前だが、トランプは一人で政策を考えているわけではない。

トランプのチームには、ピーターナヴァロのような安全保障を重視する経済学者も含まれている。

トランプを小馬鹿にすることが世間では流行っているが、それはこうした背景。

つまり、安全保障を優先したトランプの政策、これが見えていないからだ。

私は必ずしもトランプ政策に賛同する立場にはないが、その是非は別として、

こうした方向を描いているだろうということを我々は意識しておきたいもの。

ピーターナバロのことがですね、よくわからないっていう人もいるかもしれないんですが、

今から十年ほど前に「米中、もし戦わば」という本がベストセラーになったということを

覚えてらっしゃる方、いるんじゃないかなと思います。

「米中もし戦わば」を書いたのがピーターナバロです。

 そして、あの本を読まれた方は、ピーターナヴァロもですね、冷静な観察力、

中国に対する厳しい警戒感、洞察力、これをよく理解しているはずです。

このピーターナヴァロが、トランプの経済政策の司令塔のような役割を果たしているわけなんですね。

そこを理解しているかどうかによって、トランプの見え方が随分と変わるのではないかと思います。

つまり、何も知らないトランプが勝手なことをいろいろやって、こんだけ世界をこんな。

簡単に陥れているみたいに考えているのはね。

それはその裏側に、ちゃんとした経済学者が、冷静に中国のことも分析しながら、

どう対処したらいいのかっていうことをやっているということが全く見えてないから、

そういう見解になるわけじゃないですか。

ピーターナヴァロはしっかりとした経済学者なんであって 彼が、そういうことをしっかり考えながら、

どうこの話を進めていけばいいのかということを作って、このことをしっかりと理解してほしいと思うわけなんですね。

で、ところで、トランプ政権は中国だけをターゲットにしているのではなく、ベネズエラもターゲットにしています。

こちらの記事をご覧ください。

ベネズエラ経済の非常事態宣言を発令米制裁に対抗。

こうなっちゃいますよね。

トランプ政権はですね、このベネズエラさんの原油を購入する国には、

25%の追加関税を加えるぞと圧力をかけてるわけなんですね。

で、そうするとベネズエラから買ってきちゃったらですね、

もうそれだけで25%の追加関税ってことになっているので、

だったらもうベネズエラ産だけはやめておこうということでもってですね。

世界的にベネズエラ産の原油を購入するっていうのは手控えられるのは、これは間違いないですよ。

もうこうなったら中国くらいしか、もうベネズエラ産の原油なんて買ってくれないんじゃないかって、

そんな感じなわけです。

で、このトランプ政権のベネズエラに対しての扱い方というのは、バイデン政権がですね、

ベネズエラに対して経済制裁を緩めていったのとですね、これ真逆の対応ということになりますで。

トランプのこの厳しい政策に対して、ベネズエラのマデューロ大統領が経済の非常事態を宣言し、

国会の承認なしに様々な対策が打てるようにしたというのが、

今回のこの記事の中身なんですが、はっきり言ってですね、

もうまともな対策なんて受けやしないだろうというふうに私は見ています。

さて、今回のこの相互関税に関しては、いろいろと混乱した見方が広がっています。

こちらの日経新聞の記事米関税停止背景に米国債売り金融戦争市場が警戒というのもかなり問題のある記事でした。

この記事には、トランプ政権が発動したばかりの相互関税をわずか13時間で部分凍結したのは。

 株式やドルだけではなくて、米国債まで売られるトリプライアンスが発生し、金融戦争になることを恐れたカナダ。

 中国はトランプ政権への報復処置として、保有する米国債を売り破せることができる。

なんか、そんな感じのことが書かれているわけなんです。

つまり、トランプ政権が今回、相互関税をわずか13時間で部分到達したのは慌てたからなんだ

みたいな感じでまず書いてあるわけなんですが、私は計画通りなんじゃないのと。

やるとなったら本当にやるんだぞっていうことを一旦かけることによって。

見せつけるということをあえてやったんじゃないかというふうに見た方がいいんじゃないかとは思っているわけなんですね。

で、ちなみにトランプの方は、この発動後であっても、

5月27日までにですね通関手続きを終了させたものについては、

この後にこの手続きが始まったものであっても、この追加関税は課さないなんて言うことを言っていたので、

事実上痛みが与えられないようにしっかりとコントロールしながら、

最初からやっていたっていうこともわかるわけなんです。

で、さらにですね、この記事に矛盾するのはトランプ関税のショックを和らげるために、

中国当局が人民元安を容認して17年ぶりのその元安水準になったことに対して、

ベッセント財務長官がそういうことをやるのはやめろ、こういうふうに言ったのは

金融戦争への警戒なのだなんて言うふうに、説明をしているわけですね。

中国が人民元安の誘導しているとすれば、それは人民元を売って米ドルを買っているっていうことに

なるじゃないですか。

人民元安ドルのであれば、その米ドルをですね、現金のまま利息がつかないまま保有するのではなく、

短期か中期か長期かは別としてですね、利息の付く債券を買うに決まってるわけなんですよ。

あえて米ドルを買いながら債券にしないで現金で持つなんて言う愚かなことはやらないはずなんですよ。

そして、その米国債を売るっていうことは、これは米ドルから離れるっていうことを意味するのであって。

で、米ドルから離れていくという。

その作業をやるっていうことになった場合、それって人民元高の方にむしろ動くということになってくるわけです、

一般的には。

そもそも仮に中国がですよ、米国債を大量に売り浴びせてくるなんて言うことをやったとしたら、

FRBがそれを買いに向かえばいいだけの話なんですよ。

 通貨量の調節は確かにちょっと難しくなるっていうことはありますが、しかしながら、その国債の暴落みたいな。

状態を放置するよりは優先順位から行けばですね、別にそんなのは大したことがないってことになるので、

結果的にですね、中国が意図するような通貨混乱は起こるわけがないんですよ。

 で、これはハードカレンシーと呼ばれる。

通貨、この交換性を充分持っているそういう通貨のですね。

強み、米ドルの強みというふうに言っていいかと思います。

じゃあ今回なんで米国債売りが出たのかっていうと、これは株価が急落するそのことによって

資金ポジションが、この足りなくなってくる。そのファンドがですね、

現金がどうしても欲しいということで、国債を売ってですね、換金したっていうことなんですね。

つまり、こんな話は別に金融戦争なんて言うものとは全然繋がらないものだと見ればいいわけなんです。

とにかくこういうストーリーに惑わされないようにしてもらいたいと思います,

ところで、USスチールに関してトランプは二面的な対応というものを行っていますよね。

 で、こちらはあ、日経新聞に出ていた記事の一部です。

トランプ米大統領は9日、米鉄鋼大手USスチールについて日本に渡ってほしくないと発言した。

 トランプ氏は省庁横断組織の対米外国投資委員会シーフィウスに、

日本製鉄によるUSスチール買収計画を再度審査するように指示したばかり。

かねて外資への鉄鋼大手の売却に難色を示してきたトランプ氏は9日午後、

自身の執務室で記者団に対し、USスチールについて言及した。

USスチールは米国にとって非常に特別な会社だとも話し、

日本以外の海外企業による買収についても認めない姿勢を示した。

対米外国投資委員会シーフィースというというのはですね、

外国企業がアメリカ企業を買収するようなことがあった場合に、

アメリカの安全保障上の問題があるかどうかを審査するという、こういう機関です。

で、すでにバイデン政権の時に、日本製鉄によるUSスチールの買収については、

シーフィウスはですね、、バイデン政権に忖度をして、安全保障上の問題があるというふうに認定をしていたわけなんですよね。

 で、そうであるのにもかかわらず、再度審査せよと指示しているのは、

安全保障上の脅威はないとの認識に変更させようとしている。

こういうふうに見るのが当然なわけなんですよね。

で、そしてこの話と連動させる形で、こちらの記事もご覧ください。

USスチール株主の米ファンド、日鉄による買収を一点支持となっていますね。

USスチールを傘下に収めて、この高炉メーカー、製鉄のところには高炉と電炉というのがありますが、

鉄鉱石からああ、鉄を作るのが高炉ですか。

この高炉メーカーとしての独占体制を作りたいクリーブランドクリフィスという製鉄会社、これがですね。

傘下に収めて独占体制を築きたいということでやってるわけなんです。

で、この製鉄会社の味方、このクリーブランドスクリフィスの見方をする動きをしていた

投資ファンドがアンコラホールディングスというところなんですけれども。

このアンコラホールディングスが、その立場をひっくり返して、

一転して日本製鉄の味方として動いたという、こういう記事なんですね。

で、記事には詳しい事情なんていうのは書かれてないわけですが、

これは背後にトランプ政権の動きがあるのは、これ間違いないっていうふうに見ていいんじゃないかと思うわけです。

 もちろんトランプはですよ、今までの日本製鉄によるUSスチールの買収に、

この反対する発言、これを繰り返していきたいということもあるから、今の時点でですね。

 もうころって意見を変えるっていうわけには行かないから、

USスチールは日本に渡ってほしくないなんて言うことをですね、一応言いながら、

委員は言い訳みたいなことをやっているわけですけれども、

水面下では承認してもいいという方向で動いているというのが、見えていると言っていいわけなんです。

え、ただし、これが本当に承認されるかどうかというのは、

日本のポジションが対中政策でどうなるのかってことにかかってるわけですね。

石破政権が中国との関係を断ち切る方向に行くのか。

え、断ち切れないままで進むのか。

ここと大きな関係があるというふうに見るべきということになるわけです。

トランプ政権がここまでですね。日本の側に譲歩するような姿勢を見せながら、

最終的に日本製鉄によるUSスチールの買収を認めないということも当然あり得ると見た方がいいわけですね。

で、そうなった場合には、それは石破政権の親中ぶりが結局は許さなかった

ということになるんじゃないかってことなんです。 

ここが非常に大きなポイントになるということを、理解していただきたいなと思います。

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